天井

気の向いたことをつらつらと書いていきます

【エクセルのGrep】大量のExcelファイルから特定の情報を検索する - フリーソフトRelax Tools Addin

 

はじめに

先日、仕事で大量のExcelファイルから、情報を抜き出すという作業があった。

一つ一つExcelファイルを開いて、検索や目視で必要な情報の場所を確認、抽出するといったことも考えたが、

 

ちょーだるい!!

 

ということで今回は、

大量のExcelファイルから、特定の情報を一度に探す方法を紹介しようと思います。

 

 

 

 

Excelに便利機能を提供するフリーソフト

Relax Tools Addin

というわけでさっそく、

Relax Tools Addinというフリーソフトをインストールしてみました。

 

この Relax Tools Addin は、Excelに様々な便利機能を追加するアドインソフトです。

アドインソフトというのはつまり、これを入れることで、Excelだけではできないことが色々とできるようになります。

今回は、その色々と追加される便利な機能のうちの一つ、ExcelGrepを使おうというわけです。 

 

Grepとは

Grepとは、「フォルダ内にあるファイル全てに対して文字列を検索する」というような機能のことです。

ファイル内検索がパワーアップして、フォルダ内のファイル全てに対して検索できる、的な感じです。

 

Relax Tools Addinをインストールする

zipファイルを解凍したら、フォルダの中にある「install.vbs」を実行します。

この処理が終われば Relax Tools Addin のインストール完了です。

 

 

 

Grepの使い方

以下の手順でGrepウィンドウを立ち上げます。

 

Excel > RelaxToolsタブ > 検索/置換の▼ > ExcelファイルのGrep(マルチプロセス)版

f:id:ceiling:20180915132000p:plain

 

すると以下のウィンドウが立ち上がり

f:id:ceiling:20180915132631p:plain

それが消えると、下のGrepウィンドウが立ち上がります。

(起動中ウィンドウが消えても↓のGrepウィンドウが出てこないという方は、Excelの後ろを確かめてみてください。↓のウィンドウがExcelの陰に隠れてしまっているということがよくありました)

f:id:ceiling:20180915132743p:plain

あとは、このGrepウィンドウに検索条件を入れてGrepを実行するだけです。

 

以下の条件でGrepをかけてみました

f:id:ceiling:20180915135357p:plain

その結果がこれです。

f:id:ceiling:20180915143501p:plain

こんな感じでGrep結果を一覧表にして出力してくれます。

さらに、D列:「セル/シェイプ」から、単語がヒットしたファイルの場所を開くこともできます。

文句なしのGrep機能です。

 

これでちょーだるい作業が、幾分かマシになりました。

 

 

 

最後に

この Relax Tools Addin ですが、Grep以外にも様々な便利機能があります。

Excel正規表現置換とか。

 

Excelでこんなことできないかなとか思ったら、ググってみるといいかもしれません。

なかなかに便利ですよ。 

 

私の場合だと、地味ですがExcelシート数が50くらいあるファイルを扱ったりするので、「シート管理」機能とか便利に使わせてもらってます。

 

【計画を立てる理由】なぜ計画は必要なのか

 

はじめに

人は、やれることしかできない
だから、やれるだけやってみて、やれなかったことは仕方がない
つまり、やれもしない目標を立て、さらにその計画を立てることは無意味である。

 

以上より、仕事が予定通り進んでいないけれど私は全く悪くない。
もともと無理な予定であり、最初からその通りに進めることなどできなかったのだ。
人間やれること以上にやれはしないのだ。

 

 

そう考え、満足していた私だったのだけれど、ふと次のことが気になってしまった。

 

なんで、今、こんな必死に私は計画見積もってるんだっけ?
てか、やれるだけしかできないなら、なんで計画立てる必要があるんだっけ?

 

というわけで考えてみた。

 

計画を立てる理由を考える

計画を立てる理由を考えるために、まずは具体的に何か計画を考えてみよう。

例えば、一年後に、ハーバード大学に入学することを目標として計画を立ててみる。
計画を立てるためにはまず、どうすればハーバード大学に入れるのかを知る必要がある。
ハーバード大学アメリカの大学であるので、入学には当然日本とは違った手続きを取る必要があるのだ。
まずは入学をするために、いつ何をする必要があるのか把握する必要がある。

例えば、入学願書を出す時期などのことだ。

それから、入学するためには、受験競争を勝ち抜かなければならない。
受験で要求されることは次のようなものがある。
作文、SATテスト、面接
これらをハーバード大学が求める合格基準までもっていく必要がある。
これでハーバード大学に合格するという大きな目標を、いつまでに何を達成していなければならないという小さな目標に分割することができた。

あとはこの小さな目標を達成するために、それぞれいつどんな行動をとるのか決めていけば、計画が立つ。
また、それぞれの目標、合格基準から自分がどれだけ離れているかを把握することもできる。
そして、基準を達成できているもの、いないものが分かれば、達成しているものを後回しにして、達成していないものから取り掛かるなど、適切な状況判断が行える。

 

計画を立てる理由 まとめ
目標の確認

目標の細分化を行う。何を達成するかが明確になる。

作業の事前検討

行う作業が事前に分かることで、失敗を未然に防ぐことができる。

やることの明確化

やるべきことがはっきりとし、行動の無駄が減る

進捗の確認

目標を達成するために、ある時期での必要な状態の確認を行える。

状況判断

計画を立てることで作業の遅れなどが把握でき、作業の優先順位をつけたり、計画の修正を行える。

周囲との共有

計画を分かりやすく立てることで、周囲の理解が得られる

 
計画を立てるとこのような利点が得られる

 


最後に
あれ?じゃあなんで自分は計画いらなくね?って思ってたんだっけ?
とこんどは気になってしまった。
・・・
考え直してみると、「計画を立てる理由」で挙げたメリットがあまり活かせていないことに気付いた。

目標の確認、認識済み
作業の事前検討、未知の作業が多く逐次問題に対応する必要がある
進捗確認、超遅れてる
やることの明確化、やれるだけやってる、
状況判断、優先順位はない、計画の修正は禁じ手

周囲との共有、バトりたくない

つまり、予定から遅れてるってことが分かってるってことだけが、今享受できている利点ってことになるなぁ

 

【メアリと魔女の花】評価・疑問

 

メアリと魔女の花」を見たのでその評価を書こうと思う。

 

一言で言うと、面白かった。
主人公は、元気で好奇心旺盛な女の子、メアリ。
そのメアリが魔女の世界に巻き込まれるという構成になっているのだが、
場面展開が早く、飽きない構成になっている。
分類としては、冒険物語という感じ。
心情のような見るだけで分かりづらいものには、焦点が当たっておらず、
そのまま見たまんま楽しむといった作品だと思う。

 


オススメ
・冒険物語
・物語が分かりやすい(悪役がはっきりしてるなど)


逆に次のようなものを求めている人にはオススメしない
・物語の余韻は特にない
・心情の変化など

 

 

 

 

 

 

 

 

以下ネタバレ

 

 

 

 

 

 

 

 

映画版を見ただけでは次の点がよく分からなかった。

 

メアリはなぜ「魔法なんていらない」といって魔法を捨てたのか。
映画だけで判断すると、「魔法の失敗作」を見て、そんなものを作り出す魔法はいらないというように見えたのだが・・・


悪役がすごい雑だった。
マダムとドクターがただの頭悪いだけの人に見えた(なんか同じような失敗繰り返してるし。しかもなんでピーターを完全な魔法使いにしようとしたし、そこは一番の生徒とかじゃないの)
あれだけのことをするのは、何か事情のようなものがあるはずだが、それは何なのだろう。


シャーロット大叔母様が、花を持って逃げ出したという話について。
マダムとドクターが、花を使って実験したことが悪いみたいにまとめられてるけど、そうじゃないと思う。
悪いのは、マダムとドクターが安全性とか考えずに人体実験してることであって、花を使って実験はしてもいいだろう。

 

 


気が向いたら、小説版を読んで確認するかもしれない。


ところで、どうでもいいけど、この話、

「空に浮かぶ島はよく落ちる」の法則に当てはまらない作品だった。

「魔法なんていらない」ってすべての魔法を解く魔法を唱えたときに、島落ちるぞって思ったんだけどなぁ。
落ちなかった、めでたしめでたし

 

私オススメの【米澤穂信】小説作品

なんだか久しぶりに米澤穂信さんの本を読んだら、少し熱が出てしまった。

なので今回は、私のオススメの米澤穂信さんの作品を紹介しようと思う。

 

 

犬はどこだ

ぞっとするような探偵小説を読みたい方にオススメ。

最後のどんでん返しが本当に怖すぎた。

米澤穂信さんの作品は、どんでん返しを意識した作品が多くあるが、中でもこれはかなり恐怖を感じた。 

犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

 

あらすじ

諸事情により銀行員をやめた紺屋は、探偵事務所を開業した。

犬探しを専門にしようと考えていたのだが、開業早々にやることになった依頼ははなんと、人探しと古文書の解読。

探偵が憧れだったという半田に古文書の依頼は任せ、紺屋は失踪事件を追う。

一見すると関係ないように見えるこの二つの依頼が、妙に関わり合って進んでいく物語。

さらに徐々にきな臭さがあらわになっていく失踪事件。

果たしてその結末は

 

オススメポイント

陰のある主人公

諸事情により銀行員をやめざるを得なかった主人公。

そうこの主人公は何もやりたくて探偵を始めたわけではないのだ。

そういうわけで物語中でも何かとこの主人公には陰がある。

さらに最初は人探しに乗り気でなかった主人公だが、失踪した人に自分と同じ陰を見つけ、徐々に仕事にやる気をだしていく。

こういった陰のある主人公が好きな人には魅力的作品である。

 

地道な探偵業務

捜査は足で、と言われるように、地道に人に話を聞きながら物語は進んでいく。

そうやって一歩一歩事件の真相に近づいていく感じがたまらなく良い。

さらに向こうから勝手に情報が舞い込んで話が進んで行ったりすると、主人公と一緒になって思わずにやりと笑ってしまう。

 

徐々に明らかになるきな臭さ

調査を続けるにつれて明らかになっていく依頼のきな臭さ

これにより物語の途中から急き立てられるように話を読み進めてしまう

そして最後に待ち受ける真相。

ぞっとすること間違いなしの名作だ。

 

「犬はどこだ」が好きな人にオススメの作品

「犬はどこだ」の淡々と進むストーリー、厭世的な主人公。

そんな物語が好きな人には追想五断章」もオススメの作品だ。

「犬はどこだ」ほどのどんでん返しと恐怖はないが、同じようなテイストの作品となっている。

 

 

 

ボトルネック

「どうしようもないことは、受け入れるしかない」がモットーの主人公。

この言葉に共感できる人にオススメしたい。

痛烈な物語が展開される。

ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)

 

あらすじ

恋人の死を弔っていた主人公は、突然パラレルワールドへと飛ばされる。

その世界では、自分が存在する代わりに、生まれなかったはずの姉が存在していた。

自分ではなく姉が存在するこの世界は、自分の世界とどのように違うのか。

自分とは正反対のように明るい姉に誘われ、主人公は二つの世界の間違い探しをしていく。

 

オススメポイント

暗い主人公

主人公が受け身でとにかく暗い。

といってもそれにも理由があって、両親は互いに不倫しあっていて仲最悪。

そのあおりを受けて、夢も希望もないような主人公となっている。

そんな主人公に共感できる人にはぜひともこの作品を読んでほしい

 

明るく聡明な姉

主人公に引っ張られて暗くなる物語を、明るく引き戻すのが、主人公の姉だ。

受け身な主人公に代わり、彼女はその聡明さでこの物語を明るく、ぐいぐいと牽引していく。

 

解き明かされていく主人公の心情

そんな明るい姉と関わる中で、主人公は否が応でも気づかされる。

二つの世界の間違い探しの答えに。

これはそんな痛烈な物語だ。

 

 

 

儚い羊たちの祝宴

ダークな短編集。

サイコパスじみた人たちの事件集となっている。

そういった作品を読みたい方にぜひとも勧めたい作品だ。

また、物語最後で語られるどんでん返しもぜひとも楽しんでほしい。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

 

オススメポイント

短編集

ダークな雰囲気

物語最後のどんでん返し

 

 

 

遠回りする雛

有名な「古典部」シリーズ。

古典部シリーズは青春と謎解きの融合がなされており、おおよそ万人受けする作品だと思う。

そしてこれはその古典部シリーズの中でもオススメの一作だ。

シリーズとは言いつつも、古典部シリーズは一巻ごとで完全に完結しており、どこから読み始めても全く問題ない。

実際私もシリーズ3、4作目あたりから読み始めたクチだが違和感なく物語に入り込めた。

というわけで、古典部シリーズをまだ読んだことがなくて、これから読み始めてみようかという方には、あえてまず「遠回りする雛」を勧めたい。 

遠まわりする雛 (角川文庫)

遠まわりする雛 (角川文庫)

 

作品概要

高校一年生。古典部という部活に所属している部員たちの、新学期(古典部入部直後)から、春休み(約一年後)までに起きた出来事を、それぞれ切り取って描いた作品。時間経過による人間関係の変化を描きたかったという。

ミステリは、日常ミステリ(日常で起きるちょっとした謎を解くミステリ)系。

また、事件と部員たちの感情がうまく結びついており、青春ミステリと呼ぶのにふさわしい内容となっている。

 

オススメポイント

短編集なのに繋がりのある話

「遠回りする雛」は短編集である

だが、それだけではない。

短編どうしでも話がつながっているのだ。

以前の短編で保留された答えが、その後の短編で明かされるのは感慨深いものがある。

 

日常ミステリ

短編中いくつかのミステリについては、題材が実際に日常で起こりそうなものとなっている。

殺人事件とかとは違って、身近な謎だけに、自分でもすこし考えたくなってしまう。

主人公たちと一緒に謎を解こうと考えるのは、純粋に楽しい。

 

青春ミステリ

そしてなんといっても一番のオススメポイントはこれだ。

この作品は物語が、ミステリと感情をうまく融合させたつくりになっているのだ。

つまり、事件を解決していくことで、古典部員の感情にもせまることになっていて、これがまたなんともせつないのだ。

それは、事件は解決できても感情に答えはないからだ。

これが事件後になんとも言えない余韻を残す。

私が米澤穂信さんの作品にはまったのもこれが大きいかもしれない。

 

 

 

クドリャフカの順番

古典部シリーズの中では、これが私の一番好きな作品かもしれない。

クドリャフカの順番 (角川文庫)

クドリャフカの順番 (角川文庫)

 

あらすじ

高校の文化祭を描いた作品。

古典部は文化祭で文集を販売しようとしていた。

しかし発注ミスにより文集が大量に届いてしまった。

このままでは大赤字である。

なんとしてでも文集を売らなければならない

そんな感じのミッションを一応は持ちつつ、古典部員は各々文化祭へと繰り出すのであった。

 

オススメポイント

多視点から楽しむ物語

クドリャフカの順番」は、文化祭を描こうとした作品である。

そのため様々な角度から文化祭を描くために、視点が古典部員各々に飛び移りながら物語が進行していく。

これがなんとも楽しいのだ。

古典部員それぞれで、それぞれの物語が進行して、そのどれもが目を離せない。

それでいながら、それぞれの部員の行動・物語がきれいにかみ合いながら、文化祭・文集を売るという全体の物語が進行していく。

本当に秀逸だと思う。

 

文化祭と様々な題材

この文化祭では、本当にいろんな題材が扱われている。

  • 発注ミスの大量の文集を売ること
  • 漫研の内部論争・譲れないもの
  • お料理大会での熱いチームバトル
  •  怪盗事件
  • 凡人の探偵役への挑戦
  • 才能・人に期待するということ

よくこれだけ詰め込んで、きれいにまとめ上げているものだと思う。

 

青春ミステリ

そしてこの作品にも「古典部」シリーズの目玉ともいえる青春ミステリ要素が、きちんと盛り込まれている。

ミステリと感情の融合。

事件は解けても、感情には答えがない

なんともいえない余韻が残る

 

 

 

ふたりの距離の概算

二年生になって後輩がやってきた古典部の話。

日常ミステリが存分に楽しめる作品となっている。

後味はなんともせつない。

ふたりの距離の概算 (角川文庫)

ふたりの距離の概算 (角川文庫)

 

あらすじ

二年生になった古典部に後輩がやってきた。

だが、その後輩が突然、やっぱり古典部には入部しないという。

どうやらある古典部員の行動が問題だったらしいのだが、一体何があったのか。

一つ一つ記憶をたどりながら、後輩が入部しないという理由を探していく。

 

オススメポイント

短編集でありながら長編物語

この作品も、全体では「ふたりの距離の概算」という作品として仕上がっているが、一つ一つの章は短編ミステリとなっている。

そしてその短編の中に、後輩が入部しない理由のヒントが隠されているのだ。

短編ミステリとして楽しみつつ、長編ミステリとしても楽しめる良作である。

 

日常ミステリ

そして、その短編で扱われているのが、ほんとにどこにでもありそうな日常の謎なのだ。

言ってみれば単なる疑問やクイズのようなものに近い。

だからこそ、一緒になって謎解きをしてみると面白い。

また、この作品は特に日常に力が入れられているように感じた。

後輩がなかなかいい味を出していて、古典部員の日常を楽しむだけでも十分に面白い。

 

青春ミステリ

短編中では日常ミステリが楽しめる一方で、作品全体としては後輩が入部しない理由を追うといういささかデリケートな問題を扱っている。

そしてその理由はやはりデリケートなことが問題となっていた。

このギャップも本作の魅力の一つだろう。

 

注意点

この作品は後輩の話ということもあって、今までの古典部シリーズの話が作品中にかなり登場する。

そのためこの作品を読む前に、他の古典部シリーズを読んでおいた方がより楽しめると思う。

 

 

古典部」シリーズについて

古典部」はシリーズものだが、一巻ごとで話は完全に完結しており、どの作品から読み始めても問題ない構成になっている。

だから、シリーズ物は、出版順に読みたいという方も安心して、読んでみてほしい。

(出版順に読むことを勧めないのは、実はシリーズ一作目「氷菓」の評価が、私の中で高くないからでもある)

ちなみに私も、古典部シリーズがシリーズものだと知らずに3、4作目あたりから読み始めたクチである。

私もシリーズ物は出版順に読みたいと思う派なのだが、この古典部シリーズを読んで驚いた。

物語だけでは古典部シリーズの出版順が全く判別できなかったのだ。

それくらい、きちんと一巻ごとで話が完結している。

ただ、作品の中でシリーズ一作目「氷菓」だけはやたらと話に上がり、やたらと持ち上げられる。

しかしそれが逆に、昔すげーことあったんだなあと感じさせて、なんだかわくわくするのだ。(「氷菓」の評価が低いのは、このせいでやたらと期待値が上がったせいもあるかもしれない)

もちろん「氷菓」の話は登場人物の会話でちょっと出るだけでストーリー自体に関わりはないので「氷菓」から読む必要は全くない。

こういう経緯もあって、私は古典部シリーズを、「氷菓」から読み始めることは特には勧めない。

 

古典部シリーズ出版順と読むオススメ順

氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠回りする雛」「ふたりの距離の概算」「いまさら翼と言われても」

 

どの順番で読んでも問題ないとはいったが、

「いまさら翼と言われても」は、古典部員の内情がかなり話題となっているので、後に読んだ方がいいかもしれない。

ふたりの距離の概算も、後輩の話なので、後回しにした方がいいだろう。

 

それを踏まえるとやはり、

最初に「遠回りする雛」を読んでからは、出版順に読むのが一番オススメかもしれない。

 

ちなみに作品評価としては、「氷菓」と「いまさら翼」はちょっと評価低めで、「愚者のエンドロール」は十分に面白かったと感じた。

ただし、「いまさら翼」は、単なる古典部の短編集となっているため、 良作あり、普通かなあり、といった感じだ。

 

最後に

文字数が多くなってしまったので、今回のオススメ作品紹介はここまでにしようと思う。

ここで紹介した作品以外にも、米澤穂信さんの作品には、「太刀洗 万智」シリーズや、「小市民」シリーズなどがある。

もしここで紹介した作品が面白ければ、手を出してみるのもよいだろう。

 

【ボトルネック】ツユの言葉の意味 ラストシーン

 

久しぶりに米澤穂信さんの「ボトルネック」を読んだ。

改めて読んでみると、本当によく練られて書かれた本だ。

本当に驚嘆する。

それはさておき

 

今回は、当時よんだときは分からなかったけれど、今になって読んだら分かったことについて、ここに書きとめておこうと思う。

 

ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)

 

 

目次

・リョウの名前の由来

室生犀星の碑「・・・ろしてくれ・・・」

・ラストシーン ツユの言葉

 

 

リョウの名前の由来

まず、嵯峨野家の子供たちを挙げてみる。

「一人目が」 ハジメ

「露みたいに儚い命」 ツユ

「月足らずで生まれたから」 サキ

「もう子供は金輪際これっきり」 リョウ

 

当時は、なぜ「もう子供は金輪際これっきり」が「リョウ」になるのか分からなかった。

が今読むとすぐに分かった。

「リョウ」とは「了」という意味なのだろう。

自分の成長がなんだか感慨深い。

 

 

室生犀星の碑「・・・ろしてくれ・・・」

今読んで、分からなかった。

ノゾミと再会した後の、このシーンで主人公が考えていることは、

・ノゾミとの再会(ただし、喜びではない)

室生犀星の詩(ふるさとに帰りたいか、乞食になってでもここにいたいか)

・間違い探し(おそらく、その答え、つまり自分について)

である。

 

当てはまりそうな言葉は思いつくが決定打にかける。

 

 

ラストシーン ツユの言葉

「あの娘が本当に望んでいるのは何?」

イチョウを思い出して」

というツユの意味深な言葉。

このあと、リョウは必死に想像し答えにたどりつくが、読者にその答えはあまり明示的にされない。

 

イチョウ」とは、老婆が思い出の木だからといって、金を積まれても切らせなかった、イチョウの木のこと。

その老婆をノゾミは呪った。

なぜか、

彼女は金が欲しくて欲しくてたまらなかった。

だが、老婆はそんな金よりもイチョウの木を優先したのだ。

だから呪った。

彼女が望むもの、望んで得られなかったものを、拒んだから。

 

その図式がそのまま、ノゾミがリョウを呪っている図式となる。

 

そのあとリョウは、

「彼女が失ったものを、確かにぼくは二年間、いや・・・」

と彼女が本当に望んでいるのは何であるかを悟る。

 

このヒントは実は物語の中盤、川守という意味深な苗字の子供が説明してくれている。

「死んじゃった人が呼ぶんだ。生きてるひとが羨ましくて、魔になって貶めるんだ」

<グリーンアイド・モンスター>

生をねたむ死者のへんじたもの

 

 

だが、ツユがリョウに本当に伝えたかったことは、「ノゾミがリョウの生をねたんでいる」ということではないはずだ。

ここでもう一度、「あの娘が本当に望んでいるのは何?」というツユの言葉について考えてみる。

 

「ノゾミがリョウの生をねたんでいる」ということは「ノゾミは生きたい」ということを意味する。

そしてこれにイチョウの図式をそのまま当てはめると、

 

ノゾミは生きていたくてたまらないのに、リョウは生きることを拒んでいる。

だから、ノゾミはリョウを呪っている。

 

ということになる。

 

ここは想像になるが、ツユがリョウに伝えたかったこと、

「あの娘が本当に望んでいるのは何?」という言葉の意味はこうではないだろうか。

 

 

「ノゾミは、リョウに、生きてほしいんだよ」

 

 

なぜなら、ノゾミは自分が欲しくてたまらないものを、リョウが拒んでいることに対して、呪っているからだ。

(ここでの「生きる」とは、もちろん、今までのリョウの流れるままに捨て置くような生き方ではなく、サキのような生き方のことを指す)

 

リョウが生きようと思えば、ノゾミはリョウを呪う理由がなくなる。

だがそれは、リョウにとって並大抵のことではない。

 

ツユの言葉に対するリョウの答えはこうだ。

「彼女が失ったものを、確かにぼくは二年間、いや、もっと長い間、生まれてからずっと、まともには扱っていなかった。流れるままに捨て置いていた。

だけど・・・。

いまさら、いまさら取り返しなんてつかない!」

 

 

ラスト

最後のリョウの選択が明かされることはない。

「失望のままに終わらせるか、絶望しながら続けるかの二者択一」

「誰かに決めてほしかった」

そのタイミングで再び鳴る携帯。

「リョウへ。恥をかかせるだけなら、二度と帰ってこなくて構いません」

 

直前の言葉をそのままとるなら、二度と帰らない選択をとることになるが

 

なぜ最後がこのメールで締められているのだろうか

 

【天職の見つけ方】

 

はじめに

以前に、適職診断について記事を書きました

ceiling.hatenablog.com

 

その記事で私は、適職は強みの活かし方次第で、なんでも適職になりうるという話をしました。

今回はその先の話として、ならば適職ではなく、「天職はあるのか?」という記事を書きたいと思います。

 

 

 

 

天職とは何か?

まず「天職とは何か?」ということを確認しましょう。

 

これは、(天下り的になってしまいますが)、「好きを仕事に」、というような仕事が当てはまるのではないでしょうか?

 

好きでやりたいことをやって、それでお金を稼げて、いくらでも没頭できて、

まさに天職って感じですよね。

 

さて、天職がこの「好きなこと」だとして

それじゃあさっそく「好きなこと」を仕事にしましょう!!

 

なんて簡単なわけがありません。

 

 

 

 

天職に必要なこと

「やりたいこと」をやるだけじゃ当然仕事になんてなりません。

「好きを仕事に」なんて言葉がありますが、そもそも「好き」を「仕事」にまでもっていくのがどれだけ大変なことか。

 

そう「天職」には「好き」だけでは足りないのです。

 

というわけで天職の構成要素を書き出してみました。

 

天職の構成要素

・人の役に立つこと

・やりたいことであること

・得意なことであること 

 

 それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。

 

 

 

人の役に立つこと

まず仕事である以上、生きていくために、お金が稼げなければなりません

そのために必要な要素が「人の役に立つこと」です。

あなたのやることに、人がお金を払ってくれるのか、それだけの価値と需要があることが必要です。

 

探し方のヒント

・職種図鑑で仕事を探したり、就職サイトを覗いたりして、仕事を探す。

・起業を考える。

 

 

 

やりたいこと

「好きを仕事に」の「好き」の部分です。

といっても「好き」だけにしぼる必要はありません

要は、「あなたが夢中になれること」であるか、です。

夢中になるにもいろいろあります。

「楽しい」「好き」「面白い」といった自分主体の感情もあるし、

「人を笑顔にしたい」「こんな社会は許せない」のように自分の外に理由が向かうこともあります。

 

探し方のヒント

・自己分析を行う。

・やりたいことを書き出してみる。

 

以前、私が書いた自己分析の記事をここに載せておきます。

ceiling.hatenablog.com

 

 

 

得意であること

好きと得意は違います

たとえ好きなことであっても、あなたの得意なことでないなら、あなたは成功できないでしょう

例えば、スポーツ選手。

たとえそのスポーツが好きでも、それを職業にして食べていける人は、ほんの一部です。

ビジネスでもそうです。

あなたの強みを活かしてビジネスを行わなければ、競合が現れて、たちまちあなたのビジネスは立ち行かなくなってしまうでしょう。

そして仕事でも 、

得意なことを活かして仕事ができなければ、あなたの実力を十全に発揮できません。

 

探し方のヒント

「強み」の見つけ方について、記事を書いたことがあります。

ceiling.hatenablog.com

 

 

 

以上の三点がそろうものが、あなたの天職でしょう。

 

f:id:ceiling:20180814075339p:plain

 

つまり、この三つが重なることを見つけられれば、それが天職になります

 

 

 

 

終わりに

適職は、強みを活かして仕事ができればよい。

天職は、さらに自分のやりたいことであればよい。

ということを述べました。

 

天職は、適職のワンランク上というような位置づけですね。

 

これは簡単なことではないでしょう。

だって、下の図みたいになってる可能性だってあるんですから。

f:id:ceiling:20180814075344p:plain

 

絶望ですね。

どうやったって、三つかさならない(笑)

 

ただ、この場合でも、まだ可能性はあります。

なぜなら、円の大きさや位置を、私たちはコントロールできるからです。

例えば、新しい活動を始めて「やりたいこと」を増やしてみたり

自分の強みを伸ばして「得意なこと」を広げてみたり、

「仕事」を変えたり、あるいはもう起業してしまって全く新しい「仕事」を作り出してみたり。

いずれにしても簡単なことではないですが。

言いたかったことは、不可能に見えても、可能性はあるということです。

 

 

「人の役に立つこと」「得意なこと」「やりたいこと」

それぞれ分からない方は、上で軽く紹介した、探し方を参考に、探してみるといいかもしれません。

 

 

適職診断よりも、自分の強みを見つけよう

 

はじめに

適職診断を受けてみました

careerindex.jp

 

結果

f:id:ceiling:20180813101442p:plain

 

あなたには「事務職」が向いているようです。

 

・・・

 

私って、「事務職」が向いてるんだなぁ。

「事務職」やってみようかなぁ。

 

・・・

 

そう思います?

 

・・・

 

私は思いませんでした。

 

というわけで、今回は、

なら、どうやって適職を見つければいいのかについて、書いていこうと思います。

 

 

 

 

適職とは何か?

そもそも適職とはなんでしょうか?

適職診断では、何を基準に適職を診断しているのでしょうか?

 

これは憶測になりますが、

適職診断で行っていることは性格診断です。

なので、適職診断で進められている適職とは、あなたの長所を活かせる仕事のことです。

 

ここで私の言う「長所」とは「性格の良い面」のことです。

性格には一長一短があり、その良い面が長所なのです。

 

つまり、適職とは、「あなたの性格に合う仕事」「長所を活かせる仕事」のことをいうのでしょう。

 

であるならば、自分の適職を見つけるためには、まず自分の長所を知る必要があります。

 

 

 

自分の長所・強みを知る

自分の長所を見つけるには、性格診断を利用しましょう

ceiling.hatenablog.com

 

以下の記事でも長所の見つけ方を紹介しています。

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性格診断を受けて、結果から自分に当てはまる良い面を抜き出しましょう。

それがあなたの長所です。

 

私は、強みを見つけるために「ストレングスファインダー」も使ってみました。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
 

 この本には、あなたの強みとなりうる資質(性格傾向)についてと、その活かし方が書かれています。

また、この本を購入すると、あなたの持つ資質(強みのもとになる性格)の診断が行えます。

(※診断を受けたい場合は必ず新品の本を購入してください。診断を受けるには本についているアクセスコードを使用する必要があります。中古のものではすでに使用済みとなっているため診断が行えません)

 

 

 

 

適職を見つけよう

強みを見つけたら、さっそく適職を見つけましょう。

適職とは、強みを活かせる仕事のことでした。

では、強みを活かせる仕事とはなんでしょうか?

 

・・・

 

実はここから先は自分で考えるしかないんです。

 

強みの活かし方というのは一通りではありません。

 

例えば、「ストレングスファインダー」の資質の例を借りて説明すれば、

回復思考(問題を解決することが好き・問題の原因を考え解決のための行動をとる)資質を持つ人がいます。

この人は、資質を活かせる「製品修理」「工場のプロセス改善」「コンサルティング」などの仕事が向いています。

それだけでなく、他のどんな仕事であれ、問題が発生して皆が頭を抱えているようなときに、その問題をいかに解決したらよいかと、いきいきと考えることができます。

つまり、「製品修理」「工場のプロセス改善」「コンサルティング」以外でも、この人は活躍できるということです。 

 

うまく強みを活かして仕事をすることができれば、それがどんな職種であろうと活き活きと仕事ができます。

逆に、どんな仕事でも強みを活かすことができなければ、その人の力を十全に発揮できていません。

 

だから、

大事なのは、「いかにして自分の強みを活かすか」

であって、

この仕事が絶対に向いている、ということではないのです。

 

仮に、いまあなたが「私はこの仕事向いてない」と思っていたとしても、

それは単に、うまく強みが活かせていないだけかもしれません。

自分の強みを知り、それを活かすことを意識して取り組めば、うまくいくのかもしれません。

 

だから、

自分の強みを知りましょう。

そして、

それを活かす方法を、活かせる仕事を、考えましょう。

 

それができれば、それが適職になるのです。 

 

 

 

 

終わりに

仕事が向いているか、向いていないかは、自分の強みが活かせているかいないかで決まる。

ということを、この記事では述べてきました。

それはつまり、強みの活かし方次第で、これと決まった適職はないということを言っています。

しかし、適職はないかもしれませんが、天職はあるかもしれません。

なぜなら、天職は、仕事が向いているかいないかだけではないからです。

 

次の記事で天職の見つけ方を紹介します。

 

興味のある方はどうぞ。