【イライラ・怒りを解消する方法】怒りという感情の役割を知る
はじめに
今回は「怒り」という感情に対して、どのように対処すればよいのかをお伝えします。
それではさっそく、といきたいところですが、
その前に大切なことをお伝えします。
それは人の感情にはそれぞれ役割があるということです。
それは怒りも例外ではありません。
そして、これを理解せずにただ怒りを抑えてばかりいると問題は解決しません。
ですので怒りを抑える方法を、みなさんにお伝えする前に、怒りという感情について、順を追って説明していきたいと思います。
これを理解できれば、どのような怒りやイライラであっても、適切に対処できるようになるでしょう。
「怒り」とは
怒りとは大切なモノを守るための感情です。
大切なモノが傷つけられたときや、脅かされそうなときに、
大切なモノを守るために闘おうとする、
怒りとはそのための感情です。
だから怒りを感じると、人は攻撃的になります。
こう聞くと怒りを感じるのも大切なことだと思えませんか?
なにせ、大切なモノを守ろうとしているのですから。
怒りにどう対処するか?
しかし、怒りを感じたからといってただ周囲に当たり散らしていては、ただのキレやすい嫌なやつになってしまうだけです。
ではどうすればよいのでしょうか?
それには「まず落ち着くこと」です。
怒っていると、人はどうしても短絡的に行動してしまいます。
まずは落ち着くことで適切に問題に対処できるように頭を冷やします。
落ち着く方法としては、次のようなものがあります。
落ち着くのに役立つ方法
・イライラの原因から離れる
・意識してゆっくりと呼吸する
・自分の感じたことを言語化する
・鏡を見る
ここで間違えないでほしいのは、落ち着くことと我慢することは違うということです。
怒りを「我慢」してしまうと心の中にイライラがたまり、悪影響を及ぼしてしまいます。
ここでやっているのは次に適切な行動をとるために「落ち着く」ということです。
怒りを我慢しないのに役立つのは、落ち着くのに役立つ方法で挙げた「自分の感じたことを言語化する」という方法です。
これは、メタ認知や自己共感と呼ばれることもあります。
自分の感じたこと、思ったことを実際に言葉にしてみることで、自分の気持ちを理解して、客観視したり、共感することができるのです。
これにより自分の気持ちを肯定することで、落ち着きが得られます。
また、鏡を見ることも有効です。
自分の表情が分かることで、自分の今の感情が分かりやすくなり、共感しやすくなります。
落ち着いたら
落ち着いたらさっそく怒りの問題に対処していきましょう。
まずは自分が何に怒りを感じたのかを把握します。
自分に
「なぜ怒ったのか?」
「どうであればよかったのか?」
を問いかけてみましょう。
これによって、相手に害された自分の「大切なモノ」が何なのかを把握します。
そして、それを守るための具体的な方法を考えます。
この「大切なモノ」を理解するということは非常に大切です。
これが分からないと訳も分からず、ただモヤモヤとした気分だけがたまってしまいます。
そして、怒りを解決するための行動をとろうにも、何をすればよいのか分からなくなってしまいます。
逆に、「大切なモノ」が分かり、なぜ自分がイライラしたのかが分かると、気持ちがすっきりとします。
そして、自分がどうしたいのか、どうであればよかったかが見えてきます。
怒りやイライラを感じたときは、対策を立てないまでも、何に怒りを感じたのかだけでも理解するようにしましょう。
分からない人は、落ち着く方法でも述べた、「思ったことを言語化する」という手法も有効です。
一人のときに声に出して尋ねてみて、そして、声に出して答えてみましょう。
怒りを解決しよう
さて、大切なモノを守るための具体的な方法を考えたら、あとはもう実行するだけです。
これにより自分の大切なモノを守り、自分の望むようになれば、気分はとてもすっきりしているはずです。
怒りという感情は、本来このように大切なモノが脅かされる、という問題を解決するためにあるものなのです。
ですから、怒りを感じたらそれを抑えるのではなくぜひ上手に利用して、現状をより良いものに変えていってください。
参考となる本の紹介
感情の問題地図 ~「で、どう整える?」ストレスだらけ、モヤモヤばかりの仕事の心理
- 作者: 関屋裕希,白井匠
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/07/11
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この本は「怒り・悲しみ・不安・落ち込み」といった感情に対して、どのように対処すればよいのかが詳しく書かれています。
そういった感情に困っている方は読んでみるとよいかもしれません。
補足
怒りを解決するために 相手への伝え方
ここまで怒りを解決するための方法を述べてきました。
ここでは、そのために最後に行う「大切なモノ」を守るための行動、その行動にしばしば必要となるコミュニケーションについて、どのように行えばよいか説明をしたいと思います。
怒りやイライラというのは、人との関係のなかで起きるものだと思います。
ですのでその解決の際に避けては通れないのが、人とのコミュニケーションです。
ですが、自分の怒りの感情を相手に伝えるのはやはり難しいもの。
不用意にそのまま伝えてしまえば相手との関係が悪くなってしまいます。
それを避けるためにここではDESC法というコミュニケーション方法をお伝えしたいと思います。
DESC法とは
DESC法とは、自分の要望を四段階のステップを踏んで、相手に伝えるコミュニケーション方法です。
この方法を用いることで、相手を不快な気分にさせずに、うまく要望を伝えることができます。
それでは、どのように相手に要望を伝えればよいのか見ていきましょう。
第一ステップ
Description
客観的な状況説明を行います。
相手と事実の確認をしたり、数値やデータなどを見てもらいます。
※相手の確認を得る、事実の共有を行うことが大切。客観的な事実しかここでは説明しないため、相手も否定できない
第二ステップ
Express
自分の主観的な思いを説明します。
思っていることや困っていることを伝えてください。
ただし、感情的・攻撃的にならないこと
※自分の思いを理解してもらうことが大切。自分の気持ちを説明しているだけなので相手は否定できない。
第三ステップ
Suggest
具体的で、現実的な解決策、妥協案を提案します。また、その案のメリットを伝えます。
ただし、相手に強制したり、相手を責めたりしないこと。
※提案することが大切。一方的な押し付けにならず、相手に不満がたまらない。
第四ステップ
Choose
相手に提案を受け入れるかどうか選択してもらいます。
提案が受け入れられなかった場合は、代替案を尋ねてみましょう。
相手が提案を受け入れなかった場合に、自分がどうするのか決めておくことも大切です。
※自分で決めず、相手に選択してもらうことが大切。そうすることで相手も自分で言ったことだから守ろうという気になる。
以上がDESC法です。
うまく問題が解決できるとよいですね。
最後に
人の持つ感情にはそれぞれ意味があります。
それは負の感情でも変わりません。
だからネガティブな感情であっても無視したりせずに、その感情の本当の意味を理解しなければなりません。
でないときっと大切なモノを見失ってしまうからです。
そして逆にその感情の本当の意味を理解することができれば、
自分の気持ちが落ち着き、問題にも適切に対処することが可能になると、私は思っています。
私は、ネガティブな感情ばかりを持ってしまうという方に、それは別に問題ないということを伝えたい、そして、むしろその感情を利用して、より良く生きていってほしいと思っています。