無理なポジティブよりも、ネガティブな感情をもっと大切に
はじめに
ポジティブシンキングというものが流行り、いまでは様々なところで取り入れられているように思う。
一方で、ネガティブな考えは、人の意欲を下げるとして、忌避される風潮だ。
ところが最近、それに反発するように、テレビ・本屋・ネット記事などで、「ネガティブな考えも大切にしよう」、というような話が、目に付くようになってきた。
そこで今回私は、ネガティブな考えが持つ、大切な点をまとめてみようと思う。
概要
- ネガティブ感情は、本当の気持ち
- ネガティブ思考は、ミスを防ぐ
- まずネガティブを、受け止める・ポジティブは、後回し
ネガティブ感情は、本当の気持ち
この章を読んでいるあなたは、今の自分に満足しているだろうか?
もし満足していないならば、あなたは自分がどうすれば満足できるか、分かるだろうか?
もし分からないというなら、あなたは自分のことを理解できていないのかもしれない。
ここでは、そういった人へ、ネガティブな感情が、本当の自分を理解する助けとなることを、述べたいと思う。
- ネガティブ感情は、本当の自分を理解する手掛かりとなる
人や仕事に対するモヤモヤ・違和感、
そういったはっきりとしないネガティブな思いを持ったことがないだろうか?
そしてそれをそのままにして行動してしまっていないだろうか?
もしそうなら次からは、少し立ち止まって考えてみよう。
こういったネガティブな思いというのは、自分が納得できていないことがあるから、出てきているものなのだ。
納得できないことに対しては、本気で取り組めないし、不満が出てくるものだ。
そうならないように、自分が何にネガティブな思いを抱いているのか、しっかりと確認しよう。
そこには自分の好き嫌いやモノの考え方、価値観が現れている。
そうして何が嫌なのか分かれば、それに対してはっきりと対処しよう。
そうすることできっと物事に前向きに取り組めるようになるはずだ。
またそうすることで自分の好き嫌いがはっきりし、自分の判断基準が持てるようになるはずだ。
これによって人に流されるようなことも減るだろう。
ネガティブな感情は、正直な自分の心、自分の本心に気付く大切な手掛かり
きちんとすくいあげて理解してあげよう
それによって自分の好き嫌いや価値観、大切なものが見えてくる
その他にもこのモヤモヤや違和感といったネガティブ感情には、無視できない理由がある。
- 違和感は、だいたい当たる
人間の直感というものはわりとバカにできない。
上で述べたように、違和感といった感情には私たちの好き嫌いや価値観が含まれていたりするが、それ以外にも重要なことが隠されている場合もあるのだ。
それは、間違いや無駄といったものである。
例えば、新しい集団に入ったときに、その集団独特の習慣などがあったりすると思う。
もしその習慣に疑問を持ったりしたら、まだ入ったばかりだからと遠慮したりなどせず、その疑問をはっきりさせてみるのだ。
あんがい大勢の人間が従っている習慣よりも、その疑問の方が正しかったりする。
違和感を感じたら、その原因を突き止めるように、日頃から心がけよう。
そこには、大きな問題が隠されているかもしれない。
ネガティブ思考はミスを防ぐ
ネガティブな考え方は止めよう、仕事でそう言われることがある。
だがそんな必要はない。なぜなら、
ネガティブ思考は、仕事でも役に立つからだ。
ネガティブ思考をすることで、
悪い事態を考え、対策を練ることで、失敗を防いだり、失敗してもリカバリーすることができる。
このときネガティブなことを紙に書き出してみることも有効だ。
ネガティブなことは考えない方がいいと、はっきりと形にして出すことをためらう人もいるかもしれない。
だがそんな必要はないのだ。
ネガティブもはっきりと形に出すことで、どのような不安要素があるのかはっきりし、対策をきちんと練ることができる。
また、形にすることで不安の元凶が分かり、分からないという不安からも解放される。
ネガティブな思考もどんどん仕事で活用していこう。
まずネガティブを受け止める・ポジティブは後回し
最後に
人生良いことばかりではない。悪いように考えてしまうのは当然のことなのだ。
そんなときに無理にネガティブな感情をポジティブに変換しても違和感が残るだけだ。
それよりも大切なのは自分の感情を受け止めること、
どうして自分が悪く考えているのか理解し認めることだ。
そこには大切な自分の本心が隠されているのだから。
そして、その後で、前を向いていけばいい。
そもそも悪い点に目を向けずに良い点にだけ目を向けろなんて都合の良すぎる話なのだ。
だから、まずは悪い面をしっかり見てから、
それから、「でも、これは良いことだね」というように良い面を見ていく。
そうすることで、納得して物事のいい面も見ることができるようになるのではないだろうか?
もっと自分の嫌だと思う感情も大切にしよう。
そして自分の思っていることを認めて、
その上で良い面にも目を向けてみよう